記者ハンドブックを購入すべきかどうか迷っている人へ
「この表現って、漢字?それとも平仮名?」
「同じ読みの漢字がたくさんあるけど、どれが1番最適なんだろう?」
記事を書いていると、言葉の表記方法に迷い、手が止まってしまうことがありますよね。Webライティングには「絶対にこれが正解」という書き方がないからこそ、何かしらの基準が欲しくなるものです。
そんな時に役立つのが記者ハンドブック。記者ハンドブックを手元においておけば、言葉の表記に迷った際もすぐに解決できます。
本記事では、
- Webライターに記者ハンドブックが必要な理由
- 記者ハンドブックの使い方
- 記者ハンドブックを使う際の注意点
について紹介。
まだ記者ハンドブックを持っていないという人は必見です!
記者ハンドブックとは?
記者ハンドブックを一言で説明すると、「読みやすい記事を書くための基準」です。出版元は共同通信社で、記者が悩みがちな文体や表現を統一することを目的に出版されています。
対象は新聞記者やWebライターなど、文章を書くプロの人々です。Webライティング業界においては「表記方法は記者ハンドブックに従う」というレギュレーションを提示するクライアントさんがいるほど。
専業Webライターとして生計を立てている人はもちろん、Webライティングは副業という人も、質の高い記事を書くために必ず持っておきたい1冊ですね。
Webライターに記者ハンドブックが必要な理由

Webライターに記者ハンドブックが必要な理由は、前述の通り「記事を書くための基準」を設けるためです。
例えば
辛いと言う人が居る事も知って欲しい
という文章があったとしましょう。漢字が詰まっていて読みづらいので、文章を修正していきます。
ただし、修正パターンは複数存在しますよね。
【修正案①】つらいと言う人がいる事も知って欲しい
【修正案②】辛いという人が居ることも知って欲しい
【修正案③】つらいという人がいることも知ってほしい
どれも日本語的には間違っていませんが、何かしらのルールを決めて書かないと、記事の中で表現の揺れが生じてしまいます。
ここで明確な基準を提示してくれるのが記者ハンドブックです。
それぞれの文体や表現に対して「これで統一しよう」という基準がのっているので、表記の揺れも少なくなりますね。

ちなみに記者ハンドブックに従うと、「【修正案③】つらいという人がいることも知ってほしい」が正解です。
記者ハンドブックの使い方
記者ハンドブック(第13版)は計764ページのボリュームがあり、まるで辞書のような分厚さ。その分、使い方も様々です。
ここでは記者ハンドブックの使い方の一例を紹介していきます。
適切な漢字の選定
記者ハンドブックをもっとも使う機会が多いのが、適切な漢字を選定をする際です。文章を書くにあたって迷いがちな表現はほぼ網羅しているので、これ1冊で解決できます。
例えば下記のようなパターンですね。
△お節介 → ○おせっかい
△見所 → ○見どころ
△怖ろしい → ○恐ろしい
「日本語としては間違いではないけど、どちらを選ぶのがいいんだろう…。」と迷った時に、記者ハンドブックが大いに役立ちます。
適切な表現方法の選定
複数の表現方法がある時の選定基準も、記者ハンドブックに記載されています。先述の「適切な漢字の選定」と同様、表現の方法で迷った際に便利ですね。
一例として、記者ハンドブックの中には下記のような表現の選定ルールがあります。
(例1)「擬態語」は平仮名で書く
△ベタベタ → ○べたべた
△コソコソ → ○こそこそ
(例2)「動植物の名称」は片仮名で書く
△日本猿 → ニホンザル
△松茸 → マツタケ
これらのルールは記者ハンドブックの「用字について」にまとめられており、一通り読んでおくと参考になる部分が多々あります。
紛らわしい地名の判断
記者ハンドブックには「紛らわしい地名」についてもまとめられています。地名の書き方で迷った際は市町村区の公式ホームページを確認するという方法もありますが、辞書形式で調べられるという点で記者ハンドブックは便利です。
「すすきの」… 地下鉄の交番名
「薄野」… 地名の総称、交番名
Web記事において地名を記載する機会は何かと多いので、迷った際に役立ちますね。
【Webライター向け】記者ハンドブックを使う際の注意点

記者ハンドブックはあくまで共同通信社が提案する基準であり、絶対的なルールではありません。特にWebライターとして記者ハンドブックを使う場合は、以下の点に注意しましょう。
クライアントのレギュレーションを優先する
契約時にクライアントから表記に関するレギュレーションを提示された場合は、そちらを優先すべきです。
クライアントのレギュレーションは、メディア内の雰囲気や表記を統一するために作られています。たとえ記者ハンドブックと違う表記方法が指示されていたとしても、レギュレーションは絶対です。
記者ハンドブックは絶対的なルールではないということを覚えておきましょう。
掲載予定サイトを提示されているときは、サイト内の表記に合わせる
「このサイトに記事を載せるので、雰囲気を合わせてください」という指示を受けた場合は、サイト内の表記に合わせるようにしましょう。
既に制作が進んでいるサイトにおいて、自分だけが違った表記方法で記事を書き進めてしまうと、サイト内の雰囲気を崩したり表記の揺れを生み出してしまう恐れがあります。
「絶対に記者ハンドブックの表記に合わせた方が読みやすい」というケースに出会ったら、まずはクライアントに相談するのが先決。
自分の独断だけで記者ハンドブックの表記を採用してしまうのは厳禁です。
【まとめ】記者ハンドブックはWebライターの必須アイテム
記事を書くための基準が記載されている記者ハンドブックは、Webライターの執筆業務を大いに助けてくれます。
基準を設けて記事を書けば表記の揺れは少なくなるし、2者間で記事をやり取りする際もトラブルが生じにくいです。
また記事を書く際の迷いがなくなれば、執筆スピードの向上にも繋がりますね。
まだ記者ハンドブックを持っていないという人は、これを機に購入を検討してみてください。
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